藤村知明さん、33歳。カナダ雪崩協会のプロフェッショナルメンバーで、レベルストークマウンテンリゾートのプロスキーパトロール/雪崩予報補佐官です。
北海道山岳雪崩安全セミナーで「雪崩リスクマネジメントの基礎」を講演され、その後、100 年前の雪崩犠牲者を追悼する「1910年 ロジャースパス雪崩犠牲者 100回忌雪崩チャリティ・イベント」の講演をされました。この雪崩事故はカナダでも最大の雪崩事故であり58名の犠牲者が出ました。その内32名が日本 人だったのです。彼は、来年3月に開催される現地のイベント主催者から依頼され、日本人犠牲者の慰霊を行うため、犠牲者の方々の身元確認を行うボランティ ア活動を行っています。32名の方々は1907年に日本からカナダのCPR社(カナダ・パシフィック・レイルウェイ)への派遣労働者でした。日本には身元 確認を行える情報はありませんでしたが、カナダには残っていたそうです。現在犠牲者のうち3名のご遺族が判明し、明日以降お会いする予定だと。
前後しますが、彼の「雪崩リスクマネジメントの基礎」からも大変感銘を受けました。現在、カナダでの雪崩に関係する各機関の情報の蓄積と、その共有ネットワークが大変素晴らしく機能していることを知りました。また、なんと100 年前のこの雪崩前後の気象情報が正確に記録されていたそうです。その情報から彼は、いつこの雪崩の滑り面となった弱層が出来たのかを推測しました。ご存知 の通り地球上での天候は西から東へと移動して行きます。西方で起こった大規模雪崩はその直後東方で起こりえるのです。上記の雪崩の三日目にシアトルで大規 模雪崩が起きていたそうです。この時期パイナップルエキスプレスと言う季節風がハワイから北米大陸に向けて起こるそうで、その影響が有ったのでは、とも推 測されていました。現在カナダ&アメリカではこれらのことから更なる情報共有のネットワーク必要性が提唱されているようです。日本における、この分野での 発展を望みます。

